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5−2−3 バース利用
(1)高雄港
コンテナターミナルは、高雄港務局が管理する一部公共バースを除き、船会社に直接貸し付けているため、ほぼ京浜港と同じ利用の仕方といえる。
(2)香港港
ターミナルにおける我が国港湾との決定的な違いは、船会社毎に使用バースを固定せず、随時船台杜より送られてくる入港予定に基づきダイナミックなバース割当を行っている点である。このため、グローバルアライアンスの再編成等にも柔軟に対応できるターミナルオペレーション体制が確立しているといえる。
(3)シンガポール港
船会社の専用バースが存在しないシンガポール港では、入港したコンテナ船はPSAの指示に基づき、その都度空いているバースに着岸する。各ターミナルを一体的に使用する着岸バース決定システムであるため、ターミナル全体のバースを有効に活用できると同時に、協調配船にも柔軟に対応できるシステムになっている。
(4)釜山港
韓国ではコンテナターミナルを公共的に船会社に提供しており、固定曜日サービス提供船会社、定期船会社、不定期入港船会社の順で提供している。同時に、現在、船混みが激しいこと、韓国政府の管理下にあることなどから、外貿バース・内貿バースを問わず臨機応変に着岸させることが可能となっており作業効率を上げている。
(5)京浜港
京浜港のコンテナターミナルには公社所有バースと公共バースがある。公社所有のバースは、特定船会社の専用借り受バースとなっており、各ターミナルの取り扱い量を増加させることによるコンテナ体制のコスト低下が期待できるというメリットがある。しかし、施設の有効利用という面では問題がないわけではない。本船の締めに合わせてターミナルゲートが混雑する反面、締めの時以外には空いている時間もあるなど、港全体の効率性追求の観点からは改善余地も残されている。

 

 

 

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